MURABITO

人口わずか1000人ちょっと。北海道赤井川村の魅力と、そこに暮らすステキなMURABITOを紹介します。

カルデラ太鼓に情熱を燃やす、山口克也さん

MURABITO No4

 

生まれも育ちも赤井川村、生粋の赤井川っ子。現在は村の郷土芸能であるカルデラ太鼓の指導員として活躍している山口克也さんをご紹介します!!

 

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酪農家の息子として生まれて】 

山口さんは、酪農家の次男として誕生。バイクや車が好きな地元のお兄さんたちが、頻繁にワヤワヤと集まるような家庭で育った。そのことが影響し、物心ついたころからの興味はズバリ、車。お兄さんたちが談笑する姿を見ては、子供心に「自分も早くあの輪の中に入りたい」と思っていた。

 

そんな憧れがきっかけとなり、高校卒業後には専門学校で自動車整備士の資格を取得。平成21年、小樽市の自動車会社に就職した。

 

【村のちいさな学校で覚えた太鼓】  

山口さんが通っていた小学校は、明治34年から平成13年まで100年間続いた落合小学校。山口さんは、その小学校の最後の卒業生だった。全校生徒が6人くらいだったという落合小学校の授業は、小さい学校ならではの良さともいえる「柔軟性」があった。

 

太鼓の授業では、自分たちで太鼓の先生にお願いをして太鼓を叩いてもらい、その姿を撮影し、撮った映像を見ながら太鼓の練習をしたりしていた。

 

中学に入ってからも、週1回の太鼓の練習は続け、村外の高校に入った頃から、時々村の小学生に教えるようになった。

 

山口家の長男、そして長女もそれぞれ太鼓を練習し子供たちに教えていたが、仕事の都合で教えることができなくなったため、平成22年から、山口さんが本格的に子供たちに教えることになった。

 

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【2つの強い想いから、帰郷を決意】 

太鼓を教え始めた頃、山口さんは家族とともに余市町に在住し、同町内で勤務していた。しかし「子供たちに太鼓を教えやすい環境にいたい」という気持ちが日増しに強くなっていた。そして、ちょうど2人目の子供が生まれた時「自分の子供たちには、赤井川村で育ってほしい」という気持ちも相まって、平成27年赤井川村に帰郷した。

 

【練習=とにかく音を出すことを楽しむこと】

太鼓の練習は、週に2回。火曜日は15名ほどの子供たちに、木曜日は10名前後の大人たちにそれぞれ1時間ずつ教えている。

 

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子供たちに指導する山口さん

 

「自分の休日や休息時間を練習にあてることが、大変だと思ったことは一度もないよ!自分が子供だった頃は、単に反復練習が多かったから、練習を楽しくするために少しゲームっぽくしてみたり、わざとふざけて教えるときもある。子供たちには、イベントのために練習するんじゃなく、純粋に音を出すことを楽しんでほしいかな」

 

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山口さんと教え子たち

 

約2年前には「カルデラ太鼓愛好会」を立ち上げた。村出身ではない大人たちから「太鼓を叩いてみたい」という声がチラホラあったことが、そのきっかけだった。「とりあえずおいでよ!」と持ち前の気さくさで誘ってみると、10数名の大人と子供たちが集まった。

 

郷土芸能カルデラ太鼓を「村の音」へ】

「成人して村から離れた人でも、帰省したときには太鼓を叩ける場所を作りたい。そういった意味を込めて、村最大イベントである「カルデラ味覚まつり」で叩く時のアンコール曲は、数年前から誰でも参加OKにしたんだよね。とりあえず叩きたい人は、エプロン姿のままでいいから叩いて!って声かけたら用意した太鼓全部が埋まった。

 

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カルデラ味覚まつりでのアンコール曲の演奏

カルデラ太鼓は、村の郷土芸能としてはまだまだ若いけど、先輩たちが築き上げてきたものを残しつつ、自分たちで進化させて「村の音」として染み込ませることができたらいいと思う」

 

 

以上、山口克也さんの紹介でした!!

 

子供たち、そして大人たちにも太鼓を教え「叩きたい人は誰でも叩ける環境を」作り上げていった山口さん。村の郷土芸能を教えるという責任重大な立場ではあっても「とりあえず来なよ!」と気さくに声をかけ、誰でも受け入れる姿勢で活動に取り組んでいるところが、本当に赤井川村の人らしいと感じました。

 

昭和56年に始まったカルデラ太鼓が、現在では、小学校の運動会、村の祭り、文化祭、成人式、スキー大会など、村のほぼ全てのイベント事で披露されています。

 

人口が少ない土地で、少なからず人数が必要な「太鼓」という郷土芸能を絶やさないことは非常に難しいことではありますが、山口さんにはぜひこれからも指導員として、活躍を続けていってほしいです。

 

 

 

赤井川観光協会

広報 中村