MURABITO

人口わずか1000人ちょっと。北海道赤井川村の魅力と、そこに暮らすステキなMURABITOを紹介します。

「お節介」で幸せを運ぶ、ミリケン恵子さん

MURABITO No3

 

赤井川歴12年 

主婦のミリケン恵子さんです!

 

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写真左の方がミリケン恵子さん

 

約6年前にミリケンさんが始めた 「世界にたった一つの活動」をご紹介します!

 

 

【日本の中でも、よりアメリカらしい風景を求めて】

横浜市出身のミリケンさんは、東京でアメリカ出身の男性と出会い結婚。

旦那様の故郷であるカリフォルニアで約1年間生活し、再び東京へと戻ってきた。

 

2人目に生まれた子供が2歳になった頃。

日本の社会環境に揉まれ、疲れた様子を見せる旦那さんが可哀そうになったこともあり

家族で広い土地へ移って、のびのび暮らすことに。

 

アメリカのように広大な風景が広がる、北海道を移住先に決め

最初に引っ越した先は、赤井川村に隣接する余市町だった。

 

余市町に移住後、ドライブをしていたミリケンさんは

余市町赤井川村を結ぶ冷水峠(ひやみずとうげ)からの景色に心を奪われた。

峠から見下ろした赤井川村は、まるで「隠れ里」のようだった。

 

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 そして平成18年、余市町から赤井川村へ移住することに。

 

 

【「物」でお返しできないという経験】

自宅はできるだけ資金がかからないように、自分たちで建てることにした。

発注した木材が届くと、村の男たちが10人ほど手伝いに来てくれた。

 

この時、ミリケンさんは初めて

「今までは、誰かに何かしてもらったら「物」で返すことが当たり前だったのに

「物」ではお礼することができない」と感じた。

 

家づくりを手伝ってくれた村人に対し

どうお礼をして良いかわからなかったミリケンさんに

1人の男性がこう言った。

 

「次誰か(新しい人が)来たら、良くしてやって」

 

 

赤井川では米、野菜全般、卵、牛乳、そして様々な加工品が手に入る。

村内でこれだけ揃ってしまう。

こんな贅沢な生活ができるんだ!と気付いた。

 

村の人が村外に向けて生産したり、村外で消費するのではなく

村内で生産、消費することで、赤井川が独立して成り立つことができれば

もっと良いのでは、と考えた。

 

そして、平成23年3月に発生した東日本大震災をきっかけに

ミリケンさんの「誰に頼まれたわけでもない」活動が始まった。

 

 

【愛情に満ちた小さなお店「ひとりCSA妙見SHOP」】

自らの活動を「お節介活動」と呼ぶミリケンさんの活動には

それぞれ独特な名前が付いている。

 

例えば「あかいがわおかえり便」(平成18年10月~)。

これは、小樽のパン屋さんで買ったパンを赤井川に持ち帰り

定価のまま販売するというもの。

 

(以前は)パン屋が一つもなかった村でパンを販売すると

子供たちも大人も、みんなが喜んでくれた。

ミリケンさんのことを「パン屋さん」だと信じ

 「将来はパン屋になる!」と言ってくれる子供もいた。

 

そして、ミリケンさんの活動の軸ともいえるのが

移動販売「ひとりCSA妙見SHOP」(平成18年9月~)。

 

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赤井川村に隣接する小樽市に「妙見(みょうけん)市場」という市場がある。

以前は3棟の市場が連なり、全部で100以上の店舗が入っていたが

現在残っているのは1棟のみ。

 

その1棟だけ残った妙見市場に「ひとりCSA妙見SHOP」はある。

市場の店舗数は、ミリケンさんの店を含めて4店舗となっている。

 

空き店舗が目立つ市場内

 

「ひとりCSA妙見SHOP」で販売しているのは

誰がどうやって作ったか、きちんと分かる商品のみ。

 

無農薬の野菜、「中身の分かる」お惣菜、地域で作られた手作りのパン、豆腐、衣類、

フェアトレード食材、安全な調味料など。

 

「頑張っている人に何かしてあげたい」

ミリケンさんの想いが形となった。

 

たった一人ではじめた「ひとりCSA妙見SHOP」だったが

今では(ミリケンさんが書くミニコミ紙「おむすび」を読んで共感した主婦など)

5名の男女が店舗の運営を手伝ってくれている。

 

東日本大震災の翌年1月から、ミリケンさんが書きはじめたミニコミ紙「おむすび」。「持続可能な社会」をテーマに様々な事柄が書かれている。現在までに63号を創刊。欲しい方は妙見市場へ。

 

「元来落ち着きがない性格だから、心配事があるとすぐ何かして改善しようと思うの」

ゆったりと落ち着いた雰囲気のミリケンさんだが

その行動力は「落ち着きのなさ」からくるものだと話す。

 

減る一方の個人商店、高齢化の進む農家。

ミリケンさんの一見「小さな活動」は、それらを失くさせまいと立ち向かう

非常に「大きな勢力」となりつつある。

 

 

以上、ミリケン恵子さんの紹介でした!!

 

今回初めて足を運んだ妙見市場。

 

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古い造りの扉を開け一歩中に入ると、まるで映画のセットに迷い込んでしまったような

不思議な感じがしました。

 

薄暗く人通りが多いとは言えない場所なのに

「ひとりCSA妙見SHOP」の周りにも、他の3店舗の周りにも笑い声があふれ

温かい空気が流れていました。

 

ご両親の代から50年以上続いているという魚屋さん

 

日々の生活の中で「これっておかしくないかな?」「不自然なのでは?」と

なんとなく気付いていながら、見てみるふりをしがちな様々なこと。

 

そんな事柄に疑問の声を上げ、眉間にしわを寄せるのではなく

笑顔で「今の自分にできること」を実行しているミリケンさん。

 

世界でたった一つの活動を、どうかこれからも続けていってください。

 

 

もう一つのブログはこちら

https://blogs.yahoo.co.jp/akaigawa2014

 

赤井川観光協会

広報 中村